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フィンランド&バルト三国 P10〜74

P.10   Map Episode 

フィンランドからバルト三国へ渡るのは、船で2時間半

いつか北欧へも行きたいと思っていた私は

2週間で4か国を駆け抜ける計画を立ててしまった弾丸旅

現地では常に競歩、目まぐるしい移動を重ねるごとに

荷物は色々な所に忘れ、複雑なトラムにも振り回され

眠れない夜行バスでとにかく距離を稼いだ

 

しかし北欧の景色は苦労の意味が変わった瞬間だった

憧れの建築家アルヴァ・アアルトの自邸を訪れたヘルシンキ

古い建物をリノベーションしたアパートメントで過ごし

360度全天球プラネタリウムを体感をしに科学館も行った、エストニア

郷土料理を食べ歩き、田舎に足を運んでのんびり過ごしたラトビア

絵になるホテルで朝食を描き、塔の木造階段を登って

リトアニア旧市街の美しさに辿り着く、それは素晴らしい旅の記録

 

さぁ、そろそろ北欧旅に行こうか

 

 

P.12     Helsinki-Finland (中央駅前の風景)

憧れのフィンランド航空。乗り継ぎ無しの9時間半のフライト

最も早く日本からヨーロッパに行けることを売りにしている

機内グッズはマリメッコとのコラボにより

様々な物がデザインされているのも人気の一つ

 

空港から中央駅までは2015年に開通した鉄道で30分

できるだけ公共の乗り物を使う。切符はホームの自動販売機で買う

たった一台のみ。旅人達ですぐに長蛇の列、切符は死角から出てくるし

クレジットカードも簡単には出てこない

そうやってみんな苦戦していたため、目の前で何本も電車を見送る・・・

 

 

P.14    Helsinki-Finland (ミュージアム鳥観図)

ヴァンター国際空港は、都市とは思えないほど混雑がなく

たった20分で入国。諦めていたミュージアムにすぐ向かうことにした

”Ruiskumestarin talo” 

1818年に建てられた最古の木造住宅で

図書館で借りた本に小さく載っていた

空港からのタイムリミットは1時間半

荷物があるので中央駅からはトラムを使う

ヘルシンキは13路線もありかなり複雑です

調べていた番号は全く来ないし、適当に乗ったら違う方向に行き

降りそびれてユーターンをしたり結局最後は全速力で走る

スーツケースを抱えた息子は

到着早々こんなに走らされるとは思っていなかっただろう

8月というのにヘルシンキが寒いことに私達は気付かなかった

 

閉館10分前、門は既に閉まっていた。それでも門を叩いてみる

日本からここまで、16時間かけて来たのだからそう簡単に諦めきれない

お姉さんが門まで来てくれたと同時に「写真だけ撮らせて!」と、中へ

4部屋しかない小さな一軒家の中に詰まった世界に心躍った瞬間

 

 

P.18    Helsinki -Finland (ホテル 共用台所)

”kongressikoti hotel”

古いエレベーターを使って上階に行くと、ワンフロアがホテル仕様

宿泊者なら24時間利用でき、自炊もできるキッチン

到着早々、誰かの家にホームステイしているような感覚

珈琲でも入れて、花が咲き乱れるベランダで飲もう

 

 

P.22   Helsinki→Tallinn (チョコレートカフェ店内から)

タリンへ渡る船は4種類。値段もバラバラの上、乗る時刻によっても変わる

いろいろ精査した結果、”ECKERO LINE” をサイトから往復予約

しかし10日後の帰りの便をどうしてもキャンセルしなくてはならなくなり

現地の窓口で相談する

「返金はできないけど、船の中で使える金券に変えるから今日使ってね!」

急遽5千円分を使わないといけなくなり

贅沢な朝食バイキングを利用する(それでも使いきれなかったけれど)

いつも朝抜きか、冷えたパンを食べる中

種類も豊富で温かいものが朝から食べられる幸せ

 

9時と10時から40分づつ、ステージで生演奏と歌で乗客を楽しませてくれる

船は揺れることもなく、本当にあっという間にエストニアに到着

 

 

P.24   Tallinn  Estonia  (路地裏)

石畳が続き、貴族のような建物や教会の前を

馬車やクラシックカーが現役で走る

中世にタイムスリップしたかのような、世界遺産のタリン旧市街

14世紀に建てられた2つの石の塔が、まず出迎えてくれます

お店やレストランが立ち並び、適度な広さなのがいい

 

気温は8月なのに14度。周りはまるで冬の装備

晴れてくれたのは1日だけで、ほぼ雨に凍えながらのスケッチとなりました

北欧は夏でも服装に気を付けよう

 

 

P.28   Tallinn Estonia  (カフェ中庭)

”職人たちの中庭”と呼ばれているところがある

淡いパステル調の建物に、差し色の赤、空中に蔦う緑

そんな中庭の贅沢なテラス席で、チョコレートを堪能できるカフェ

”Pierre Chocolaterie” ケーキとホットチョコレートを注文

天気が悪かったこともあり、店内を利用しましたが

古い建物をそのまま使っていて雰囲気は良かったものの

とても狭いので外がおすすめかも

 

 

P.32   Tallinn Estonia (ヴィーガン料理)&(店内)

気付けば17時。船で朝食を食べてから食事をしていない

 
タリンではヴィーガン料理を味わえる店がいくつかある

彼らは「人間は動物を搾取することなく生きるべきだ」という精神のもと

肉魚以外にも卵・牛乳・チーズなどの乳製品も取らないそうです

私はベジタリアンでもヴィーガンでもないけれど・・・

“Vegan Restoran V”

古い建物を改装した雰囲気のあるお店

豆が主だけどまるでミンチを食べているような美味しいタコス!

 

 

P.34   Tallinn Estonia (郊外のカフェ)

旧市街の周りの景色は180度違ってビルが立ち並び

トラムが網羅している。せっかくなのでトラムに乗って少し郊外のカフェへ

 

お得な「ユヒスカールト」という一日券があり、キオスクで簡単に買えるとのこと

こちらのキオスクはお店の人の都合で外出しているのが当たり前なのか

ことごとく閉まっている。捜し歩き手に入れたものの

乗るはずの2番線が全く来ない

後に分かったことですが、その路線は工事のため運転休止だった・・・

誰かに教えてもらう術もなく、大雨の中、30分以上も停留所で待った末

トラムは諦め、バスで宿に戻り、20分歩いて店を目指す

もう靴はずぶ濡れだ。そこまでして行ったカフェは

料理が期待外れでしたが、人物スケッチに没頭した時間

そんな日も今となっては良い思い出

 

 

P.36    Tallinn Estonia  (アパートメント①鳥観図)

毎回、リスクを抱えてもアパートメントに泊まることはやめられない

ホテルと違い、大体建物の一室に構えていることがほとんどで

セキュリティのかかった共用ドアの所にさえ

宿名が書かれていることはほぼありません

壁に番地も記載されておらず、まず建物を探し当てるミッションから始まる

ちょうど目星をつけていたドアの前に男女が。「電話したら?」と

乾いた声で言われる。電話は使えないと伝えると、代わりに電話をしてくれて

やっと管理人と会えた。その後、この”誰かに電話をかけてもらう”作戦で

わかりにくい宿探しを切り抜ける術を取得

 

”Reval Old Town Home”

部屋に足を踏み入れた瞬間、真っ赤な薔薇とアロマの香りで包み込まれる

L字に沿って全ての部屋が、自然光差し込む中庭に面している

室内で走れるほど、二人では持て余すほどの広さでした

古い床板の茶色にグレーと黒系でシックにまとめたインテリア

タリンでぜひおすすめしたい宿

 

 

P.40   Tallinn Estonia (キッシュ&食べ物パッケージ)

外は冷たい雨ばかり。カフェやレストランを探して食事へ行くのも億劫

せっかくダイニングチェアが7席、ランチョンマットも食器も揃っている

贅沢な宿ですから、近くのスーパーへ買い出しに繰り出す

色とりどりの食材、惣菜、パッケージ。その中にオレンジが山積みの

搾取機を発見。3.9€。アナログに絞る行程を楽しめるのかと

やり方を試行錯誤していたら店員さんが来て一言

「レバーで押すと簡単に出てくるよ」 最新システムだったようだ・・・

 

キッシュを温め、サラダはオリーブ油と塩コショウで味付けをし

ヨーグルトとスムージーを添えてブランチの出来上がり

 

 

P.42&44   Tallinn Estonia (アパートメント②キッチンを望む)&(アパートメント②鳥観図)

古い階段を2階へ上がり、電気をつけたときの高揚感

鏡を効果的に使って空間を広く見せ、シャンデリアとスポットライトで光の演出

緑と藍色のタイルが色鮮やかなキッチンは、147センチの私では脇の下の高さ

洗い物をすると肘から水がつたう・・・ほとんど使えなかったけれど

 

 

P.48   Tallinn Estonia  (キッチンクロス等、他お土産)

リネンのキッチンクロス 一枚6€

「ZIZI」エストニア随一のリネンブランドショップ

植物や果物など自然がモチーフになっていてオリジナル柄を展開

リネンはすぐ乾き、洗うたび風合いもでて何より肌触りも良い

 

オーガニックのハンドクリーム 75ml 3.46€

「NATURA SIBERIC」はロシアのコスメブランドですが

こちらはバルト三国の特別パッケージ

買えるのはタリンの、ViruにあるショッピングセンターKESKUSの1階のみ

冬はー57℃、夏は35℃というシベリアの厳しい自然で育つ

ワイルドハーブや植物がベースで作られる

香りが良くてデザインが可愛い上、安い

 

 

P.50   Tallin→Tartu  Estonia (ハム&食べものパッケージ)

バルト三国の交通手段は、高速バス「Lux Express」が主流

日本では旅行者や若者が利用するイメージですが

鉄道はほぼ衰退しているため

市民の大事な足として、地元の方も多く利用しています

革シートで座り心地も抜群、時間も正確、一人づつモニターがついていて

インターネットはもちろん映画、音楽、ゲームが楽しめ

フリードリンク、トイレもあります

バスはヨーロッパでたくさん利用してきましたが、ダントツ一位!

 

HPで、事前にチケットと席を予約。印刷した紙をドライバーさんに見せるだけ

ちょうどキャンペーン中で、正規の5分の一で買えたチケットもありました

ただ、いつ割引をしているのかは謎・・・

ラウンジ号という、横3列の広々シートタイプもありますが金額は跳ね上がります

 

 

 P.52   Tartu  Estonia (エストニアのパッケージ)

球体の中に浮かび、まるで宇宙空間に放り出される感覚

それを体感できる、360度の全球プラネタリウムが

エストニアの田舎町にあります

タリンからバスで2時間半、「AHHAA」科学館へ

プラネタリウムは別料金。上映30分、毎時間15名しか入れない

到着後すぐに予約をすると2時間後のチケットが買えました

楽しみにしていたのに、移動疲れもあってか英語が子守唄に聞こえ

不覚にも開始早々私は爆睡・・・

 

科学館自体は広く、色々な展示物や装置、不思議な鏡に迷路

自転車で空中散歩ができたり

時間ごとに開催しているステージを観覧して、気付けば5時間満喫

 

 

P.56   Tartu Estonia (クレープ)

旧市街のメインストリートで見つけた

クレープとガレットのレストラン”CREPP”

いつもは息子とシェアをするところですが

普段の野菜不足を補うのに、サラダとスープをそれぞれ注文

それがまさかの、バケツとボールみたいなもので出てくる

田舎は安くて量が多いということを忘れていた・・・

 

翌朝、ホテルのバイキングでサンドイッチにしたものを持って

バスに乗り込むと、貧乏臭いと息子に言われる

しっかり者の母、と言ってほしいものだ

4時間かけて3か国目、ラトビアへ

 

 

P.58   Riga  Latvia (大聖堂を望むリーブ広場 カフェから)

ヨーロッパ最大級のアールヌーヴォー建築がある首都・リガ

旧市街が世界遺産。足を踏み入れた瞬間、なんとなくドイツに似ていた

19世紀から20世紀の初めにかけて流行した新芸術様式は

曲線や植物文様を多用した装飾が特徴で

建築好きにはきっと退屈しない町

 

リーブ広場にそびえ立つ大聖堂を、レストランから望む

 

 

P.62   Riga  Latvia (アールヌーヴォー博物館)

新市街のアルベルタ通りに建つ

”Art Nouveau Museum”

建物のファサードはラトビアの植物や動物を表現したモチーフ

「屈指の傑作」と言われている階段をまずゆっくり見学してから

赤い扉をノックして入りましょう。ちなみに表ドアは

セキュリティがかかっており、1・2・C(Call?)と押すと

鍵を開けてもらえます

20世紀当時、実際使われていたものも惜しみなく展示されていて

運が良かったら、メイド服を着たお婆ちゃんが

クッキーを配ってくれるかも

 

 

P.66   Riga  Latvia (アルベリタ通りのレストラン)

店内が博物館のようなレストラン

日本の雑誌に紹介されていた”Alberta 13” 

19世紀初頭の家具やテーブルウェアが並んでいる店内

淡いパステル調で、木製ベンチは一角づつに仕切られていて

細部まで凝った造りです。レストランというより

まるで貴族の館に招かれて食事をしている感覚が味わえる

 

 

P.70   Riga Latvia (メニューのないレストラン)

毎朝市場で仕入れる新鮮な食材を使った

ラトビアの伝統的な家庭料理はいかが?

”Istabas Bufete”

看板も何もない、雑貨屋の2階にお店はあり、入るのに勇気が必要

「やぁ!初めてかい?」笑顔の男性が優しく出迎えてくれました

メニュー表などはなく、英語で丁寧に説明をしてくれます

メインの豚か魚かというところだけしか理解ができなかったけれど・・・

ここは、14.5€のコース料理のみ

6テーブルしかない小さいカフェ並みの店舗で

私達を含めてお客さんは3組

心配をよそに、料理や盛り付けも本格的!

 

 

P.72   Riga→Kuldiga  Latvia  (コスメ店の前)

ホテルの朝食を20分でかきこみ、ラトビアの田舎へ出発する日

今回はほぼ都市を巡る旅の中、小さな村も行きたいと

唯一郊外に泊まりがけ

しかし主流のバス会社のルート上に、その村の名前はなかった

それでも諦めきれないので調べていくと

NOEDEKAというバスで行けることがわかった

窓口で、行先と時間を書いたノートを見せると

「What time?」と言われる。(大きく書いているのにな・・)

無事におばちゃんから往復切符を買う

値段がとても安かったので、もしかしてボロボロのバス?

いいえ、時間もきっちり、綺麗で快適。高速道路ではなく

ローカルな道を走行するのもいい

ラトビアの本当の田舎風景を、車窓から楽しめる3時間半

 

 

P.74   Kuldiga  Latvia (鴨にエサやり)

13世紀にハンザ同盟都市になり、道路や鉄道も発達しなかったため

19世紀までの木造建造物が現在までに保存と修復を繰り返してきた

クルディーガ。古い建物と溢れるほどの自然、観光客はほぼ居ない

とても静かな理想の村でした

旧市街と赤レンガの橋は、世界遺産の候補になっているらしいですが

観光客でごった返してほしくない反面

もっとこの村のことを知ってほしい気持ちと半々

 

村には自然がたくさんあり、いくつも小川が流れている

息子が鴨に餌をあげている姿を描きながら

8年前、フランスの田舎を訪れた情景と見事に一致した

それから8年後も一緒に旅をしてくれるなんて、私は幸せ者だ

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